けんさ室で 放射線を あびるのは かんじゃさんだけじゃない。
かんじゃさんの体で はねかえった X線(さんらん線)が、
そばに立つ スタッフに とどく。
iPadを もった あなた自身が スタッフになって、
近づいたり はなれたり しながら 線量を たしかめよう。
とうしが 10秒だけ 出る。その間に あびる量を できるだけ へらそう!
(かんごしさん役:かんじゃさんから 1 m 以内に いること。2 m 以上は「手が とどかない」ので 失敗)
⭐の きめ方:「なにも しなかったとき」(同じ きょり・たかさ 1.5 m・防護なし。Lv1 だけは いちばん近い 0.5 m)と くらべて、10% 以下 → ⭐⭐⭐、30% 以下 → ⭐⭐、へっていれば ⭐。
| やく | きょり | たかさ | 線量率※ | 10秒 いると |
|---|
※とうし中(X線が出ている間)の値として計算しています。きょりは iPadまでの ななめの きょりです(マーカーなしモードでは ボタンで えらんだ きょり)。
「しぜんの…」は、その場所に10秒いたときの量を、自然放射線(既定 0.05 µSv/h。⚙で変えられます)で わり算したものです。
「自然放射線を なん時間 あびるのと 同じか」を表します。
学習用のめやすです。X線とうし中、かんじゃさんの体に当たったX線の一部は体の中で はねかえって(さんらん)、まわりに飛びます。スタッフが あびる放射線の主な原因は、装置からもれる線ではなくこの さんらん線です。
★だいじなこと:さんらん線が飛ぶのは X線を出している あいだだけ。スイッチを切れば ゼロになり、かんじゃさんの体に放射線が のこったり、人に うつったり することは ありません。そして、けんさは かんじゃさんを なおすために ひつようなものです。
もっとくわしく(先生用):この装置はX線管が検査台の下にあります。散乱線はX線が入ってくる側(=台の下〜横)に強く飛ぶので、実際にはそばに立つ人の足腰がいちばん強く被ばくし、顔や目は患者さんと台にさえぎられて弱くなります。それでも目(水晶体)を守るために、天吊りの防護板や防護メガネを使います。日本では2021年4月から、働く人の水晶体の線量限度が「5年で100 mSv かつ 1年で50 mSv」に強化されました。
v1.4 では この「低いほど強い」を高さ係数 A(h)(床からの目線の高さ h の関数。1.5 m で 1。⚙に表)として線量率に掛けています。根拠:X線管が台の下にあるため、散乱線は入射面(患者の下面)から管球側へ多く出る(散乱角の式だけなら前方が優位ですが、入射面の近くで散乱した光子は体内での減弱が小さいため、管球側へ多く出ます。アプリの自己検証で f(0°)=1.000/f(180°)=0.602 と確かめられます)→ 低い位置ほど多く浴びる(術者の足腰が最も被ばくする臨床事実)。係数は ICRP Publ.139 図5.2 の高さ分布のオーダーに合わせたモデル値です。
このアプリの数字は計算で出したものです。そのままでは「大きいのか小さいのか」が分かりません。 そこで、ふだんあびている自然放射線(既定 0.05 µSv/h=全国のおおよその値。⚙で変えられます)を物差しにして、 「あびた量が、自然放射線の何時間ぶんにあたるか」を出しています。画面の「しぜんの…」は、このわり算の結果です。
★線量率の「何万倍」という言い方は使っていません。 X線が出ているのはほんの数秒で、大事なのは「率」ではなく「浴びた量の合計」だからです。 時間ぶんで表すと、量として比べられます。
日本の屋外の自然放射線は、おおむね 0.05〜0.10 µSv/h 程度です(場所によって違います)。 このアプリは 既定で 0.05 µSv/h を使いますので、そのままで 授業は できます。 測定器があれば、自分たちで はかった値に 差しかえることもできます(「はかるくん」等の 貸出制度で 借りられます)。差しかえは 任意です。
放射線を測定器ではかると、同じ場所でも 毎回ちがう数字が出ます。これは機械の故障ではありません。 放射線は1個ずつ ばらばらに飛んでくるので、数える個数が少ないと どうしても ばらつきます。
★このアプリの計算でも、まったく同じことが起きます。下のボタンで確かめてください。
★シミュレーションと実際の測定は、同じ理由でばらつきます。 だから「1回測った数字」ではなく「長く測る」「たくさん集める」ことが必要になります。 小学校算数の「データの調べ方(平均・散らばり)」に そのままつながります。
画面の飛跡は、あらかじめ決めた方向に飛ばしているのではなく、1本ごとに次の3つを計算で決めています。
★「X線管の側に散乱線が多い」という現実の偏りは、係数で作ったものではなく、この計算の結果として現れます。 体に入ってすぐの浅いところで散乱した光子は、入ってきた側(下)へ戻れば すぐ体外に出られますが、 奥(上)へ進むと体を通り抜ける間に吸収されてしまうためです。
★上の表は、文献にある目標値とその場で突き合わせた結果です。 「シミュレーションだから適当」ではないことを、開いた場で確認できます。
※このモデルは体を楕円柱で近似し、多重散乱・寝台による減弱・空気中の散乱は含みません。 画面に表示する数値(線量率)は、スタッフが立つよこ方向の代表値として H₁/d² を基本にし、v1.4 から 高さ係数 A(h)(1.5 m で 1。⚙に表)と、天吊り防護板(透過率 0.03=0.5 mmPb 相当。散乱点=患者の下面 から見て板が体を影にする割合 cov を相似で求め、(1−cov)+cov×0.03 を掛ける)を考慮しています。 どちらもモデル値で、飛跡が示す方向の偏りとは別に扱っています。
モデル:患者散乱を点源近似し、1mでの線量率(設定値)から逆二乗則で計算。防護衣は透過率を乗算、天吊り防護板は影の割合 cov で (1−cov)+cov×0.03 を乗算、立つ高さは係数 A(h) を乗算(v1.4。いずれもモデル値)。実際の分布は撮影条件・体格・方向で大きく変わり、特に1m以内は点源近似からずれます(患者は拡がりのある線源のため)。主な根拠:ICRP Publ.85(透視入射線量率20 mGy/min)、散乱1/1000則(Dixon & Ogden 2016)、ICRP Publ.139 図5.1・5.2(実測分布・防護衣・天吊り板)、日本循環器学会ほか「医療スタッフの放射線安全に係るガイドライン」(2021)。表示する「きょり」はマーカーからiPadまでのななめの距離です(マーカーなしモードでは、ボタンで選んだ距離をそのまま使います)。リングとグラフはよこ方向のめやすです。アプリは見上げ角では値を変えず、立つ高さの係数 A(h) だけで上下の差を表します(実際は机の下=X線管側がさらに強くなります)。
既定の 0.05 µSv/h(日本の屋外の おおよその値)のままで かまいません。測定器で はかった値に 差しかえるときだけ:簡易測定器の瞬時値は大きくゆらぎますので、60秒以上の平均(できれば計数モードの積算)を入れてください。1回だけ読んだ値では、教材の物差しが不安定になります。
「その場で回る」:iPad を 右に むけると 右側から 見た像になります(立ったまま 回す)。実際に かんじゃさんの まわりを あるいて 回りこむときは「あるいて回る」に(両アプリ共通・保存されます)。
高さ係数 A(h)(目線の高さ h で線量率に掛ける。1.5 m で 1。間は直線でつなぐ。モデル値)
既定値1.2 mSv/hの根拠:透視の患者入射線量率の代表値20 mGy/min(ICRP Publ.85)×「入射点から1mの散乱線は入射線量の約1/1000」の経験則 = 1.2 mGy/h。ICRP Publ.139 図5.1の実測分布とオーダーが一致します。エプロン既定値0.05は0.35mm鉛当量の散乱線透過率(約95%遮蔽、日本循環器学会ほかガイドライン2021)。実測やモンテカルロ計算(PHITS等)の結果があれば差しかえてください。マーカー一辺はきょりの計算に使います(印刷サイズと必ず合わせる。マーカーなしモードでは使いません)。※X線では おおむね 1 mGy ≒ 1 mSv として換算しています。